
公開日: 最終更新日:
(2026年10月時点の情報です)
革製品を紹介しているサイトなので、ふだんは「良いところ」を書いています。
ただ、何年も使ってきて思うのは、革には面倒なところがはっきりあるということです。重いし、雨に弱いし、高い。買ったあとも手がかかります。
そこを隠したまま「経年変化が楽しい」とだけ書いても、買ったあとにがっかりする人が出るだけだと思います。この記事では革製品の弱点を9つ、ひとつずつ正直に書きます。そのうえで、それぞれ「じゃあどうするか」も添えました。
この記事で分かることは、
- 革製品の弱点が具体的に何なのか
- その弱点に対して、買う前・買ったあとにできること
- 合成皮革やナイロンと比べて、どこが違うのか
- 革が向いていない人はどういう人か
という感じです。
※価格はすべて税込です。記事内の価格は2026年10月時点で各ブランドの公式サイト・公式オンラインショップに掲載されていたものです。ソール交換の価格はリーガル公式サイトが「2025年3月1日現在」と明記しているものを引用しています。公式サイトの商品画像は引用で、下に出典を記載しています。また、本記事には広告(アフィリエイトリンク)を含みます。
先に結論
- 革の弱点は、ほとんどが「重い」「水」「手間」「お金」の4つに集約される
- どれも使い方と置き場所でかなり減らせる。ゼロにはならない
- 減らせない弱点もある。重さと値段は、革である以上ついて回る
- 「手をかけるのが面倒」と感じる人には、素直に向かない
革好き3流エンジニア:この記事を書いているのは、革製品マニアの下っ端エンジニアです。革靴は2017年から、財布や革小物も含めると10年近く使ってきました。雨用の靴をカビさせたことも、バイクで転んで革を削ったこともあります。良いことばかり書くつもりはありません。
革製品のデメリット9つ
1.重い
これは減らしようがありません。革は、同じ大きさのナイロンや合成皮革より確実に重いです。
財布や名刺入れなら差は知れていますが、バッグになるとはっきり効きます。革のトートやブリーフケースは、中身を入れる前の時点で1kgを超えるものが珍しくありません。革のボストンバッグで旅行に行くと、荷物より先にバッグが重いという状態になります。
じゃあどうするか。毎日持ち歩くバッグは、革の面積が小さいものを選ぶか、部分的に革以外の素材を使っているものを選ぶ。革にこだわるなら、小さいバッグから始める。財布や小物は重さがほぼ問題にならないので、まずそこから革にするのが現実的です。
2.雨に弱い
革は水を吸います。濡れたまま乾かすとシミになり、硬くなります。
「撥水」をうたう革もありますが、それは防水ではありません。たとえばスコッチグレインの雨用ライン「シャインオアレイン」は、公式サイトにはっきりこう書かれています。
グッドイヤーウエルト製法(縫い靴)のため、完全防水ではございません。
引用:スコッチグレイン公式オンラインストア
ソールとアッパーを糸で縫っている以上、革には穴があいています。そこからは水が入ります。撥水レザーは「普通の雨なら平気」であって「台風でも平気」ではありません。
ゴアテックスを仕込んだ靴も無敵ではありません。私のダナーフィールドは、3年目に擦れて痛んだ左の甲から水が染みるようになりました。膜は革と裏地の間にあるので、外側の革が傷めばそこから入ります。
じゃあどうするか。雨の日用を1足・1個だけ別に持つ。これがいちばん効きます。濡れたら乾いた布で拭いて、新聞紙を詰めて、風通しのいい日陰で時間をかけて乾かす。ドライヤーと直射日光は厳禁です。
3.高い
そして値上がりが続いています。これは実感ではなく、実際にそうです。
リーガルの定番モデル315Rは、2026年10月14日の価格改定で34,100円から39,600円になりました。スコッチグレインも2026年6月に改定があり、1万円以上上がったシリーズがあります。原材料費と人件費と為替が同時に効いているので、下がる見込みは当面なさそうです。
しかも革製品は、買ったあとにもお金がかかります。クリーム、ブラシ、シューキーパー。靴ならソール交換。財布なら修理。「買って終わり」ではない買い物です。
じゃあどうするか。アウトレットと型落ちを使う。スコッチグレインなら三井アウトレットの実店舗と公式のオンラインアウトレットストアがあり、サイズさえ合えば国産グッドイヤーウェルトの革靴が3万円前後で手に入ります。私の1足目も、赤の型押しも、雨用のシャインオアレインも、全部アウトレットで買ったものです。
4.手入れがいる
放っておくと乾いて、ひび割れます。特に冬の暖房の効いた部屋は革にとって過酷です。
ただ、ここは誤解されがちなところでもあります。毎週磨く必要はありません。むしろクリームの塗りすぎで革が柔らかくなりすぎたり、ベタついたりするほうがよくある失敗です。
じゃあどうするか。やることは4つだけです。履いたらブラシでホコリを落とす。シューキーパーを入れて形を保つ。同じものを毎日使わず休ませる。汚れてきたらクリーナーとクリームを使う。これ以上は、好きな人がやればいいことです。
5.最初は硬い。痛いこともある
特に革靴です。買ってすぐは革が足の形に馴染んでいないので、かかとが擦れたり、小指が当たったりします。
ブライドルレザーの財布も、最初はカードが入りにくいほど硬いことがあります。「育つ」というのは、裏返せば「最初は完成していない」ということです。
じゃあどうするか。最初の数回は短時間だけ履く。いきなり一日歩き回らない。靴は必ず店で履いてから買う。同じ26cmでもブランドによって木型がまったく違うので、通販だけで決めるのは賭けになります。
6.傷がつく
革は表面(銀面)が削れると、基本的には戻りません。
私のダナーフィールドは、バイクで転んだときに右足のつま先の銀面が削れました。3年経っても白く毛羽立ったまま戻っていません。クリームを入れても、削れた繊維は元に戻らないからです。
もっとも、浅い擦り傷ならクリームで目立たなくなりますし、傷が増えていくことを味だと感じる人もいます。ここは好みが分かれるところです。
じゃあどうするか。傷が気になる人は、シボのある革や型押しの革を選ぶ。表面に凹凸があるぶん、傷が目立ちません。逆につるんとしたカーフやコードバンは、きれいなぶん傷も目立ちます。
7.色移りと色落ちがある
ヌメ革や、タンニンなめしの明るい色の革は、使い始めに色が移ることがあります。白いシャツ、淡い色のパンツ、車のシート。逆に、強い日差しに当て続けると退色もします。
汗も効きます。夏のベルトやバッグのショルダーは、汗で色が抜けたり移ったりしやすい場所です。
じゃあどうするか。最初のひと月は、明るい服と組み合わせない。直射日光の当たる場所に置きっぱなしにしない。気になるなら、最初から濃い色を選ぶのがいちばん確実です。
8.型崩れする
革はやわらかい素材なので、入れっぱなし・置きっぱなしの形で固まります。
靴はシューキーパーを入れないと、甲のシワが深く刻まれたまま固定されます。バッグは中身を入れたまま放置すると底が落ちます。財布はカードを詰めすぎると、抜いたあとも膨らんだままになります。
じゃあどうするか。靴にはシューキーパー。バッグは中身を出して、詰め物をして立てて置く。財布はカードを入れすぎない。どれも手間というより習慣の問題です。
9.カビる
これは私がやりました。雨用の靴を濡れたまま下駄箱に入れて、カビさせています。そのせいで買い直したのが、いま履いているシャインオアレインです。
革は動物の皮なので、湿気と暗さと汚れがそろうとカビます。特に梅雨から夏にかけて、クローゼットや下駄箱の奥は危険地帯です。
じゃあどうするか。濡れたらその日のうちに乾かす。下駄箱やクローゼットを締め切らない。除湿剤を置く。長期間しまうときは、不織布の袋に入れて風が通る場所に置く。ビニール袋は湿気がこもるので使わないでください。

弱点を減らす道具と、逃げ道
ここまでの9つは「こういう弱点がある」という話でした。ここからは実際に何を買えば減らせるのかを、値段つきで書きます。
全部を揃える必要はありません。効き目の大きい順に並べています。
「雨に弱い」への答えは、雨用をもう1足持つこと
防水スプレーは表面の話で、縫い目や底から入る水は止められません。革靴を長く履きたいなら、雨の日に履きつぶす前提の1足を別に用意するのがいちばん効きます。

引用:リーガル公式オンラインショップ
KENFORD KN82GTX 内羽根ストレートチップ GORE-TEX
19,800円(税込)
製法:セメンテッド式/修理:不可/アッパー:牛革/ソール:合成底(EVA+合成ゴム)/ウィズ:EEE/原産国:カンボジア
ゴアテックスを使った1足です。公式は「防水耐久性、透湿性を兼ね備え、足をドライな状態に保ちます」と書いています。
ただしスペック表の修理欄は「不可」。完全防水とソール交換は両立しにくいというのが、革靴の正直なところです。防水を取るなら、履きつぶす前提で考えてください。
逆に言えば、この1足があるぶん、高いほうの靴を雨から守れます。雨用を持つことは、本命の靴の寿命を伸ばす投資でもあります。
PR:下のボタンは広告リンクです
「型崩れ」と「カビ」は、置き方でほぼ防げる
脱いだ靴をそのまま下駄箱に入れると、汗が抜けないまま形が崩れていきます。シューキーパーを入れるだけで、この2つはかなり減ります。

引用:リーガル公式オンラインショップ
REGAL TY51BE レッドシダーシューツリー(バネ式)紳士靴用
9,900円(税込)
素材:レッドシダー/サイズ:S(23.5〜24.5)・M(25〜26)・L(26.5〜28)/原産国:中国
公式の商品説明は「靴の型崩れを防ぐと共に美しいフォルムを保つ」。レッドシダーは吸湿性があるので、湿気を抜く役割も兼ねます。
1足9,900円は安くありません。ただ、靴の値段に対して何年効くかで考えると見え方が変わります。5万円の靴を2年早く駄目にするほうが高くつきます。
全部の靴に入れる必要はありません。いちばん高い1足から始めれば十分です。
PR:下のボタンは広告リンクです
「手入れがいる」は、最初はセットで買うのが早い
クリーム、ブラシ、布をばらばらに揃えると、何を買えばいいか分からなくなります。最初の1つはセットで十分です。

引用:スコッチグレイン オフィシャルオンラインストア
スコッチグレインケアセット
3,190円(税込)
スコッチグレイン オフィシャルオンラインストアのメンテナンスグッズ。価格は2026年10月時点。
靴メーカー自身が出しているケア用品です。私はスコッチグレインを何足か履いていて、私も所有しており、最初の一式はこういうセットで十分だと思っています。
手入れはやりすぎが一番よくありません。クリームを塗り重ねると革が呼吸しなくなります。月1回、乾拭きとブラッシングだけの月があってかまいません。
PR:下のボタンは広告リンクです

引用:スコッチグレイン オフィシャルオンラインストア
オリジナルコットンクロス
880円(税込)
スコッチグレイン オフィシャルオンラインストアのメンテナンスグッズ。価格は2026年10月時点。
もし1つだけ買うならこれです。革製品の手入れの8割は乾拭きで、クリームはそのあとの話です。
使い古したTシャツでも代用できます。それでも専用の布があると、やる気が続きます。
「高い」の逃げ道は、アウトレットと修理
定価で買うだけが選択肢ではありません。私が最初に買った革靴はアウトレットで、そこから3足買っています。
型落ちやサイズの残りが安く出ます。革の質や製法は変わらないのに、2〜4割下がることがあります。1足目で失敗したくないなら、まずここを見る手はあります。
もうひとつが修理です。リーガルの公式リペアはオールソールが21,450円から(税込・2025年3月1日現在)。新品を買い直すより安く収まることがあります。ただしソール交換できる製法の靴に限ります。
どの靴が交換できるかは、公式スペック表の「製法」と「修理」の欄で分かります。詳しくはグッドイヤーウェルトとマッケイの違いに書きました。
減らせる弱点と、減らせない弱点
| 弱点 | 減らせるか | 何で減らすか |
|---|---|---|
| 重い | 減らせない | 小さいものを選ぶしかない |
| 高い | 減らせない | アウトレットと型落ちで少し下がる程度 |
| 雨に弱い | かなり減らせる | 雨の日用を別に持つ/乾かし方 |
| 手入れがいる | 減らせる | やることは4つだけ。やりすぎない |
| 最初は硬い | 時間が解決する | 店で試着する/慣らす |
| 傷がつく | 選び方で減らせる | シボ革・型押しを選ぶ |
| 色移り・色落ち | 減らせる | 最初のひと月に気をつける/濃い色を選ぶ |
| 型崩れ | 減らせる | シューキーパー/詰め物/詰め込まない |
| カビ | ほぼ防げる | 乾かす/締め切らない/除湿剤 |
こうして並べてみると、本当に避けられないのは「重さ」と「値段」の2つだけです。残りは買い方と置き方でかなり変わります。
合成皮革やナイロンと比べてどうか
合皮を下に見るつもりはありません。用途によっては合皮のほうが正解です。
| 項目 | 本革 | 合成皮革 | ナイロン |
|---|---|---|---|
| 重さ | 重い | 軽い | いちばん軽い |
| 水 | 弱い | 強い | 強い |
| 価格 | 高い | 安い | 幅がある |
| 手入れ | いる | ほぼいらない | ほぼいらない |
| 寿命 | 手入れ次第で10年以上 | 数年で加水分解する | 長いが劣化はする |
| 修理 | できることが多い | 基本できない | ものによる |
| 見た目の変化 | 育つ | 変わらない/剥がれる | 変わらない |
雨の日に使うもの、毎日長時間持ち歩くもの、数年で買い替える前提のもの。こういうときは合皮やナイロンのほうが合理的です。
ただ、合成皮革には加水分解という逃げられない寿命があります。使っていなくても、空気中の水分で表面が劣化してボロボロと剥がれてきます。数年で必ず来ます。革にはこれがありません。

それでも革を選ぶ理由
ここまで弱点を並べておいて何ですが、私はそれでも革を使っています。理由は2つです。
ひとつは直しながら使えること。グッドイヤーウェルト製法の靴はソールを交換できます。財布も、ファスナー交換や色補修ができます。私が2017年に買ったスコッチグレインは、6年目に自分で染め替えをして、いまも現役です。
もうひとつは変化が記録になること。傷もシワも色の変化も、使った証拠として残ります。私のダナーのつま先の傷は、バイクで転んだ日の記録です。これは新品では手に入りません。
革が向いていない人
正直に書きます。こういう人は、無理に革を選ばなくていいと思います。
- 手をかけるのが面倒な人。手入れをしない革は、ただ汚れて硬くなるだけです
- いつもきれいな状態でいてほしい人。革は必ず傷がつき、形が変わります
- 軽さが最優先の人。毎日長距離を歩くなら、革のバッグは素直につらい
- 2〜3年で買い替えて気分を変えたい人。それなら高い革を買う意味が薄い
- 雨でも同じものを使いたい人。2つ持つ前提でないと革はしんどい
ひとつ自分の例を書いておくと、私はワイルドスワンズのパームという財布を持っていますが、最近はほとんど使っていません。悪い製品だからではなく、自分の使い方に合わなかっただけです。良いものを買えば必ず使い続けられる、というわけでもありません。
よくある質問
防水スプレーをかければ雨でも大丈夫ですか?
気休めにはなりますが、雨の日用の代わりにはなりません。それと、撥水レザーのようにメーカーが防水スプレーを推奨していない製品もあります。手持ちのものの説明を確認してください。
手入れはどれくらいの頻度ですか?
使うたびのブラッシングと、汚れてきたタイミングでのクリーム。それで十分です。毎週磨く必要はありませんし、クリームの塗りすぎのほうがよくある失敗です。
安い革製品はやめたほうがいいですか?
そんなことはありません。ただ、価格が下がるほど「直せない作り」になりやすいのは事実です。長く使いたいなら、修理できる作りかどうかを先に見てください。
傷がついたら直せますか?
浅い擦り傷はクリームや補色で目立たなくできます。ただし銀面が削れてしまったものは元に戻りません。私のダナーのつま先がそれです。
結局、最初に買うなら何がいいですか?
重さの問題が出にくい小物からがおすすめです。キーケース、名刺入れ、カードケースあたりなら、革の扱いに慣れながら使えます。
まとめ
- 革の弱点は「重い」「水」「手間」「お金」の4つに集約される
- 避けられないのは重さと値段の2つだけ。残りは買い方と置き方で減らせる
- 合皮やナイロンが正解の場面もある。ただし合皮には加水分解という寿命がある
- 革の強みは直しながら使えることと、変化が記録になること
- 手をかけるのが面倒な人には、素直に向かない
弱点を知ったうえで選べば、がっかりすることは減ります。この記事が、買う前の判断材料になればうれしいです。









