床面とは

床面(とこめん)とは、革の裏側のことです。毛が生えていた表側を銀面(ぎんめん)と呼ぶのに対して、その反対の面を指します。

繊維がむき出しになっているので、手で触るとざらざらして、こすると毛羽立ちます。財布の内側やベルトの裏で見えている、あの面です。

銀面との違い

銀面は革の表面にできた緻密な層で、水や汚れをある程度はじいてくれます。艶が出るのも、傷が目立つのもこちら側です。

床面には、その層がありません。だから水を吸いやすく、汚れも入りやすい。そのかわり、摩擦に強く、滑りにくいという性質があります。ベルトの裏が床面のままになっているのは、ズボンの上で滑らないようにするためでもあります。

床面の仕上げ方

  • そのまま:毛羽立ちますが、革の素のままの状態です。ヌメ革の小物でよく見ます
  • 磨いて固める:専用の薬剤を塗って、繊維を寝かせてつるっとさせる仕上げです
  • 裏地を貼る:別の革や布を貼って隠す方法。高価格帯の財布でよく使われます

どれが良いという話ではなく、価格と用途で選ばれています。裏地を貼れば見た目はきれいですが、厚みが出て、間に湿気がこもることもあります。

スエードとは違います

よく混同されますが、スエードは床面をわざと起毛させて、毛足をそろえた仕上げです。処理をしていない床面とは別物です。

ヌバックはさらにややこしくて、こちらは銀面側を細かく起毛させたものです。見た目は似ていますが、元になっている面が逆になります。

手入れで気をつけること

床面にクリームを塗る必要はありません。吸い込んでしまって、表に染みが出ることがあります。

毛羽立ちが気になるときは、ブラシで一方向に撫でて寝かせるか、専用の仕上げ剤で固めます。水で濡らすと硬くなって縮むので、濡らさないほうが無難です。

床面が見えている製品は安いのか

裏地を貼っていない=手抜き、とはかぎりません。

一枚の革だけで作る「一枚仕立て」は、むしろ革の良さを見せる作り方として選ばれることがあります。使い込むと床面も艶が出てきて、表とは違う変化をします。

判断の基準は、床面がきちんと処理されているかです。毛羽立ったまま放置されているのか、磨いて整えてあるのかで、作り手の手間のかけ方が見えます。

よくある質問

Q. 床面が毛羽立つのは不良品ですか。
違います。仕上げをしていない床面は、使っているうちに必ず毛羽立ちます。気になるなら、裏地のある製品を選んでください。

Q. 床革(とこがわ)と同じですか。
別の言葉です。床面は「革の裏の面」、床革は「革を厚みで割ったときの下側の層」を指します。床革は銀面がないので、床革だけを使った製品は本革でも性質がかなり違います。

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