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革製品ブランド『CYPRIS(キプリス)』は、百貨店のバイヤーが選ぶ賞を何度も受賞している、日本の革小物ブランドです。今回は、キプリスの特徴や二つ折り財布の選び方、現行のシリーズと価格を徹底的に調べ直してみました。
この記事は2022年に書いたものですが、調べ直したところ価格がかなり上がっていて、紹介していたモデルのうち1つは現行になくなっていたので、2026年9月時点の情報に全面的に書き直しています。
CYPRIS(キプリス)
キプリスは1995年に誕生した、財布やバッグなどを作る革小物専門のブランドです。
展開しているのは『株式会社モルフォ』で、ほかに『ヘレナ』や『ノイインテレッセ』などのブランドも手がけています。
ルイヴィトンやエルメスのようなファッション系のブランドではなく、革小物そのものを作り込むタイプのブランドですね。

製品のハンドメイド比率は70%を超えていて、最高級のシリーズでは90%以上が手作業だと案内されています。
百貨店バイヤーズ賞は通算20回受賞
2022年にこの記事を書いたときは、「2003年から2019年まで17年連続受賞」と紹介していました。
その後も受賞は続いていて、公式サイトでは2003年〜2019年度に加えて2022年・2023年・2025年度も受賞し、通算20回になったと案内されています。
百貨店のバイヤーが選ぶ賞なので、店頭で長く売れ続けているブランドだという裏付けにはなると思います。
「袋物仕立て」で縁に切り口が出ない
キプリスの財布を触っていて一番わかりやすいのは、縁の作り方です。
コバを磨いて仕上げるのではなく、革を折り返して縫い込む「袋物仕立て」で作られています。手が触れる部分に革の切り口が出ないので、当たりが柔らかいんですね。


内側のヘリ返しも同じで、フチが薄く折り返されています。


50年ほどのキャリアの職人が、この技術を次の世代へ継承しながら作っていると案内されています。
革好き3流エンジニア:キプリスのナチュラルコードバンの二つ折り財布を2020年12月から使っています。購入時・1年半・2年・3年・5年とエイジングを記録してきました。上の写真も自分の財布です。良かったところも、正直気になるところも、5年使った上で書きます。
キプリスの二つ折り財布を探すポイント
1価格
キプリスの二つ折り財布は、2万円台から5万円前後が中心です。
牛革やキップのシリーズなら2万円前後、コードバンやブライドルレザーになると3万5千円〜5万円、染色していないナチュラルコードバンだけは8万円台と別格になります。
「良い革の財布を初めて買う」なら2万円台のシリーズ、「一生モノを1つ」ならコードバン、という分け方がわかりやすいと思います。
2革の種類
キプリスは革のシリーズがとにかく多く、2026年9月時点で50種類以上あります。
二つ折り財布に使われている主な革を、性格でざっくり分けるとこうなります。
- コードバン……馬のお尻の革。繊維が詰まっていて丈夫で、艶が出る
- ブライドルレザー……ロウを染み込ませた英国の革。硬さがあり型崩れしにくい
- ルーガショルダー……トラ(シワ模様)を活かした牛革。内装によく使われる
- シラサギレザー……姫路で鞣したキプリスオリジナル。変化が少なく汚れに強い
- キップ、カーフ……仔牛の革。薄くて軽く、手触りが柔らかい
- エンボスキップ……型押しでシボを付けたもの。傷が目立ちにくい
「育てたい」ならコードバンやブライドル、「買ったときの状態を保ちたい」ならシラサギレザーやエンボス系、という分け方でだいたい合っています。
3収納力とサイズ
キプリスの二つ折り財布は、ほとんどが札入れ2/小銭入れ1/カード入れ4/ポケット3という構成です。
サイズもW110〜115mm × H90〜97mm × D25mmあたりに揃っていて、シリーズを変えても使い勝手はそんなに変わりません。
カードをたくさん入れたい場合は、「中ベロ付き」や「小銭入れ・ベロ付き」と名前が付いたモデルを選ぶと、カードが9枚入るものもあります。
キプリスを使ってるのはどんな人?
- 仕事で財布を人前に出す機会がある人
- ブランドのロゴで選ぶより、革の質や作りで選びたい人
- 初めて数万円の革財布を買う人
- 百貨店で実物を見てから決めたい人
ロゴが大きく出るブランドではなく、価格も無理のない範囲なので、就職祝いや誕生日のプレゼントで選ばれることも多いブランドです。
キプリスは百貨店の紳士小物売り場に入っていることが多いので、実物を見てから買えるのは大きいと思います。
キプリスのおすすめの二つ折り財布8選
価格はすべて2026年9月5日時点の公式オンラインストア掲載価格(税込・参考)です。
長く使いたい方には オールレザーの「コードバン」や「ブライドルレザー」
1.小銭入れ付き札入れ|コードバン&ルーガショルダー
外装に国産のオイルシェルコードバン、内装にルーガショルダーを使ったシリーズです。
コードバンはレーデルオガワで水染めされた革で、透明感のある艶が出ます。内装のルーガショルダーはトラ(シワ模様)をそのまま活かした染色がしてあり、外と中で違う表情になります。
外も中も革なので、長く使うほど両方の変化が楽しめるモデルですね。
特徴は
- コードバン×オールレザーでとても丈夫
- 水染めならではの透明感のある発色
- 外装と内装で違うエイジングをする
価格:48,400円
素材:馬革(コードバン)/牛革・豚革・レーヨン
カラー:ブラック×ブラック/ワイン×ワイン/グリーン×グリーン
札入れ2/小銭入れ1/カード入れ4/ポケット3/W113×H90×D25mm/100g
2022年時点では34,100円だったので、4年で+42%の値上がりです。
カードをたくさん入れたい場合は、同じシリーズに「小銭入れ・ベロ付き札入れ」(55,000円/カード入れ9・ポケット5)もあります。
2.小銭入れ付き札入れ|オイルシェルコードバン ナチュラルコレクション
自分が5年使っているのがこれです。
染色していない、コードバンそのままの色を使ったシリーズで、カラーは「ナチュラル」の1色だけです。
シワや血管、毛穴の跡、色ムラをあえて残してあるので、1つずつ表情が違います。買った直後はコルクのような明るい色ですが、使っていくと飴色へ変わっていきます。
公式でも、色止めをしっかりしていないぶん、汗や摩擦で色落ち・色移りすることがあると案内されています。ここは正直に書いておきます。
特徴は
- 染色していないので経年変化がいちばんはっきり出る
- 1点ずつ表情が違う
- 色落ち・色移りのリスクがある
価格:88,000円
素材:馬革(コードバン)/牛革
カラー:ナチュラル
札入れ2/小銭入れ1/カード入れ4/ポケット3/W110×H95×D30mm/105g
2022年時点では47,300円だったので、+86%と、この記事でいちばん値上がりしています。
5年使った実物の変化は、この記事の後半にまとめています。
3.小銭入れ付き札入れ|ブライドルレザー&ルーガショルダー
外装に英国製のブライドルレザー、内装にルーガショルダーを使ったシリーズです。
ブライドルレザーは馬具用に作られた革で、ロウが染み込ませてあります。買ったばかりの頃は白い粉(ブルーム)が浮いていて、使っているうちに消えて艶が出てきます。
外装がしっかり硬いので、型崩れしにくいのが長所ですね。
特徴は
- ロウが染み込んだ硬めの外装で型崩れしにくい
- ブルームが取れると艶が出る
- 外装と内装の色の組み合わせが選べる
価格:35,200円
素材:ブライドルレザー(外装)/ルーガショルダー(内装)
カラー:ダークブラウン×オレンジ/ネイビー×ワイン/ブラック×ネイビー(残り少)/ブラック×レッド(完売)
札入れ2/小銭入れ1/カード入れ4/ポケット3/W110×H90×D25mm/85g
このシリーズだけは、2022年の37,400円から35,200円に下がっていました。8モデルの中で唯一の値下がりです。
デザイン重視の方には カラー展開の多い「ペルラネラ」や「シラサギレザー」
4.小銭入れ付き札入れ|ペルラネラ
イタリアのキップスキンに、「キャビアシボ」と呼ばれる細かい型押しをしたシリーズです。
シボがあるぶん傷が目立ちにくく、外装と内装で色を変えた組み合わせになっているのが特徴です。ライニングまで豚革を使っているので、中まで革で作られています。
統一された落ち着いた色合いなので、「カラーは選びたいけど派手にはしたくない」という方に向いていると思います。
特徴は
- キャビアシボで傷が目立ちにくい
- 外装×内装の色の組み合わせが選べる
- ライニングまで革なので長く使える
価格:29,700円
素材:牛革(外装・内装)/豚革(ライニング)
カラー:ブラック×レッド/ネイビー×ダークブラウン/パープル×グレー(残り少)/グレー×ネイビー
札入れ2/小銭入れ1/カード入れ4/ポケット3/W110×H90×D25mm/90g
2022年時点では25,300円だったので、+17%です。
5.ボックス小銭入れ付き札入れ|シラサギレザー
シラサギレザーは、姫路で鞣したキプリスオリジナルの革です。
繊維が詰まっていてシワが入りにくく、アンティーク加工でうっすら色の濃淡が付いています。汚れに強く、使っても見た目があまり変わりません。
「買ったときのきれいな状態を保ちたい」という方に向いています。カラーが5色あるのもこのシリーズの強みですね。
小銭入れがボックス型で大きく開くので、中身が見やすいのも実用的です。
特徴は
- シワや色の変化が少ない
- カラー展開が多い
- ボックス型の小銭入れで中が見やすい
価格:20,900円
素材:牛革(外装・内装/ロウ引き)/合皮(ライニング)
カラー:ブラック/ブラウン/ダークブラウン/ネイビー/グリーン(在庫なし)
札入れ2/小銭入れ1/カード入れ4/ポケット3/W110×H95×D25mm/85g
2022年時点では17,600円だったので、+19%です。8モデルの中ではいちばん手を出しやすい価格帯になります。
柔らかい手触りが好きな方には 「キップ」や「カーフ」
6.小銭入れ付き札入れ|リネア ロッサ
外装と内装の革の間に細い革のテープを挟み込む「挟み玉」という仕立てで、縁に一本線が入って見えるシリーズです。
肌目の柔らかいキップにオイルを含ませてあるので、サラッとした手触りです。買ったばかりの頃はふっくらしていますが、使い込むと薄くなって艶が増していきます。
裏地が本革でも合皮でもなくレーヨンなので、劣化が少なく、カードの出し入れがしやすいのも良いところです。
特徴は
- 縁の「挟み玉」がデザインのアクセントになる
- 柔らかくサラッとした手触り
- 裏地がレーヨンで出し入れしやすい
価格:23,100円
素材:牛革(外装・内装)/レーヨン(ライニング)
カラー:ブルー(ブラック/ダークブラウン/グリーンは完売・再入荷未定)
札入れ2/小銭入れ1/カード入れ4/ポケット3/W115×H90×D25mm/85g
価格は2022年から23,100円のまま据え置きですが、4色のうち3色が完売・再入荷未定になっています。気になる方は早めに見ておいた方がいいかもしれません。
7.小銭入れ付き札入れ|レーニアカーフ
生後3ヶ月ほどの「ベビーカーフ」を使ったシリーズです。
キメが細かくて薄いので、軽くてふわっとした手触りです。重さは70gで、この記事の8モデルではいちばん軽いですね。
傷は付きやすいですが、使っているうちに馴染んで目立たなくなっていくタイプの革です。ポケットが5つあるので、収納力も少し多めです。
特徴は
- 8モデルでいちばん軽い70g
- 柔らかくてキメが細かい
- 傷は付くが、使ううちに馴染んでいく
価格:24,200円
素材:牛革(外装・内装)/合皮(ライニング)
カラー:ブラック/ワイン/ネイビー(残り少)/グリーン/ブラウン(完売)
札入れ2/小銭入れ1/カード入れ4/ポケット5/W115×H97×D25mm/70g
2022年時点では16,500円だったので、+47%です。
8.小銭入れ付き札入れ|シルキーキップ
生後6ヶ月から2年ほどの牛革に、繊維までオイルを含ませたシリーズです。
シルクのようなサラッとした手触りで、オイルを入れているのにベタつかないのが特徴です。使ううちに銀面が締まって、だんだん艶が出てきます。
2022年の記事では、この枠で「テルヌーラ」というラムスキンのシリーズを紹介していました。ただ二つ折り財布が現行になくなってしまったので、柔らかい手触りが好きな方にはこちらを挙げておきます。
特徴は
- シルクのような手触りでベタつかない
- 使うと銀面が締まって艶が出る
- 小銭入れに仕切りが付いている
価格:20,900円
素材:牛革(外装・内装)/合皮(ライニング)
カラー:ブラック(残り少)/ダークブラウン/グリーン
札入れ2/小銭入れ1(仕切り付き)/カード入れ4/ポケット3/W115×H97×D25mm/80g
4年で価格はどう変わったか
2022年に調べたときの価格と並べてみると、こうなります。
| シリーズ | 2022年 | 2026年9月 | 差 |
|---|---|---|---|
| オイルシェルコードバン ナチュラル | 47,300円 | 88,000円 | +86% |
| レーニアカーフ | 16,500円 | 24,200円 | +47% |
| コードバン&ルーガショルダー | 34,100円 | 48,400円 | +42% |
| シラサギレザー | 17,600円 | 20,900円 | +19% |
| ペルラネラ | 25,300円 | 29,700円 | +17% |
| リネア ロッサ | 23,100円 | 23,100円 | 据え置き |
| ブライドルレザー&ルーガショルダー | 37,400円 | 35,200円 | -6% |
コードバン系の上がり方が突出しています。特にナチュラルコードバンは4年で1.8倍以上ですね。
一方で、キップやカーフを使ったシリーズは2万円台に収まっていて、値上がりも比較的おだやかです。
「コードバンが気になっているけど予算が…」という場合は、シラサギレザーやシルキーキップで作りの良さを確かめてから、次の1つでコードバンに行くという順番もありだと思います。
なくなってしまったシリーズもあります
2022年に紹介した8モデルのうち、テルヌーラの二つ折り財布(コンパクト札入)は現行になくなっていました。
テルヌーラはソフトラムスキンを使ったシリーズで、フワッとした手触りが気持ちいい革でした。
2026年9月時点で残っているのは、キー付三つ折り札入れ・L字ファスナーマルチキーケース・通しマチ名刺入れ・ファスナー付通しマチ長財布の4型だけです。
こういうのを見ると、「気になったときが買い時」というのは本当だなと思います。
在庫が少なくなっているモデルもあります
キプリスは色ごとに在庫が動くので、シリーズが残っていても欲しい色がない、ということが起こります。
2026年9月5日時点で在庫が薄くなっていたのは、このあたりです。
- リネア ロッサ 小銭入れ付き札入れ……4色のうち3色が完売・再入荷未定
- コードバン&ルーガショルダー 小銭入れ付き札入れ……ブラックとワインが在庫なし、グリーンのみ残り少
- コードバン&ルーガショルダー 小銭入れ・ベロ付き札入れ……全色在庫なし
- レーニアカーフ 小銭入れ付き札入れ……ブラウンが完売・再入荷未定
- シラサギレザー ボックス小銭入れ付き札入れ……グリーンが在庫なし
在庫の状況は変わるので、実際に買うときは公式オンラインストアで確認してください。
ナチュラルコードバンを5年使ってわかったこと
ここからは、実際に5年使った感想です。
2020年12月に買って、いまも現役で使っています。
良かった点
- 外装はしっかり飴色に近づき、写真で見てもはっきり変わったとわかる
- 折れ曲がる部分や端が濃くなって、立体感のある表情になった
- 5年使っても縫製やヘリ返しが崩れていない
気になる点
- 内装、とくに小銭入れはかなり使用感が出る
- 買ってしばらくは色ムラや毛羽立ちが目立ち、扱いが難しいと感じる時期がある
- 均一にきれいに育つタイプではないので、人を選ぶ
正直、買って半年から1年くらいは「ちょっと扱いが難しいな」と感じていました。
それが3年を超えたあたりから急に馴染んできて、5年でようやく「この財布らしい顔」になった感じです。
きれいな状態を保ちたい方には向きませんが、「数年後の姿を見てから選びたい」という方には、これ以上ないくらい変化がわかる財布だと思います。
年ごとの変化は、それぞれの記事にまとめています。
よくある質問
キプリスの財布はどこで買えますか?
公式オンラインストアのほか、全国の百貨店の紳士小物・婦人小物売り場で扱っています。実物を見て革の質感を確かめたい場合は、百貨店に行くのが早いと思います。
コードバンとブライドルレザー、どちらが長持ちしますか?
どちらも十分丈夫です。コードバンは水に弱いかわりに艶が出やすく、ブライドルレザーはロウのおかげで水に比較的強く、硬さがあるので型崩れしにくいです。使い方で選ぶといいと思います。
ナチュラルコードバンは手入れが必要ですか?
自分は2年使った時点で一度ワックスを入れました。それ以外は基本的に乾拭きだけです。染色していないぶん水シミが残りやすいので、濡れたらすぐ拭くことだけ気をつけています。
キプリスの二つ折り財布の相場はどのくらいですか?
牛革やキップのシリーズが2万円前後、コードバンやブライドルレザーで3万5千円から5万円、ナチュラルコードバンが8万円台です。
プレゼントに向いていますか?
ロゴが大きく出るブランドではないので、相手の服装や持ち物を選びにくいという意味では向いていると思います。色に迷う場合は、ブラックかダークブラウンが無難です。
まとめ
キプリスの二つ折り財布を、シリーズごとに8つ紹介しました。
- 予算2万円台なら……シラサギレザー/シルキーキップ/リネア ロッサ
- 3万円台でオールレザーなら……ブライドルレザー&ルーガショルダー/ペルラネラ
- 一生モノなら……コードバン&ルーガショルダー
- 経年変化を最大限楽しみたいなら……オイルシェルコードバン ナチュラルコレクション
2022年に書いたときと比べると価格はかなり上がりましたが、札入れ2/小銭入れ1/カード入れ4という構成と、袋物仕立ての作りはそのままです。
どのシリーズを選んでも、作りの部分でがっかりすることはないと思います。
キプリスの二つ折り財布が気になっている方、特に「数年後の姿を見てから選びたい」という方の参考になればうれしいです。







